実は「時間」が余るかもしれない。
50代になると、「老後」という言葉が急に現実味を帯びてきます。
年金はいくらもらえるのか。
貯金はいくら必要なのか。
何歳まで働くのか。
親の介護や、自分自身の健康は大丈夫なのか。
私自身も50代になり、こうしたことを考える機会が増えました。
でも、50歳で会社を辞めて実際に会社員ではない生活を経験してみて、気づいたことがあります。
定年後に考えなければならないのは、実は「お金」だけではありません。
もう一つ、とても大きなものがあります。
それが、
「時間」です。
会社員時代は「もっと自由な時間が欲しい」と思っていた
私は28年間、会社員として働いてきました。
会社員時代は、毎朝起きて会社へ行き、仕事をして帰ってくる。
平日はほとんど仕事中心です。
「もっと休みたいな」
「自由な時間が欲しいな」
「会社を辞めたら、のんびり暮らしたいな」
そんなことを考えることもありました。
私自身、会社を辞めた当初は「何とかなる」と思っていました。
60歳くらいになったら年金をもらって、足りない分はアルバイトでもしながら、のんびり暮らせばいい。
そんなイメージも持っていました。
でも実際に会社を離れてみると、それまでとはまったく違う景色が見えてきました。
会社を辞めて初めて気づいた「時間」の問題
会社員には、良くも悪くも「予定」があります。
朝起きる時間がある。
会社へ行く時間がある。
仕事がある。
人と会う。
昼休みがある。
帰る時間がある。
自分で生活しているようで、実は一日のかなりの部分を「会社」が決めてくれていたんですね。
ところが会社を離れると、それがなくなります。
朝起きて、
「さて、今日は何をしよう?」
となる。
最初は自由です。
好きな時間に起きてもいい。
テレビを見てもいい。
散歩してもいい。
カフェに行ってもいい。
会社員時代には欲しかった「自由な時間」がたくさんあります。
でも、それが1週間ではなく、1か月、1年、5年、10年と続いたらどうでしょう。
「時間がある」と「充実している」は違う
ここが、私が今回一番伝えたいことです。
時間がたくさんあることと、人生が充実していることは同じではありません。
定年後の人生が20年、30年あるとしたら、ものすごい時間です。
「やっと仕事から解放された!」
最初はそう思うかもしれません。
旅行へ行く。
ゴルフをする。
テレビを見る。
好きなだけ寝る。
もちろん、それもいいと思います。
では半年後は?
1年後は?
5年後は?
毎日が日曜日になったとき、自分は何をして過ごすのか。
これは50代のうちから一度考えておいてもいい問題ではないでしょうか。
仕事は「収入」だけではなかった
会社員時代は、仕事というと「生活するためにお金を稼ぐもの」と考えがちです。
もちろん、それが大きな目的です。
でも会社を離れてみると、仕事には別の役割もあったことに気づきます。
人と会う。
誰かと話す。
自分の役割がある。
誰かに必要とされる。
新しいことを覚える。
うまくいって喜ぶ。
失敗して悩む。
そして何より、
「今日やることがある」
これも、実は大切なことだったのだと思います。
会社という場所は、給料だけではなく「人とのつながり」や「自分の居場所」も与えてくれていたのかもしれません。
もし明日から会社へ行かなくていいとしたら?
50代の会社員の方に、一度考えてみてほしいことがあります。
もし明日、
「もう会社へ来なくていいですよ。これから毎日自由です」
と言われたら、何をしますか?
1週間なら、やりたいことはたくさんあるでしょう。
では半年後は?
毎朝起きてから寝るまで、すべて自分で時間の使い方を決める。
意外と難しいと思いませんか?
だから私は、定年後の準備というと「お金」の話ばかりになりがちですが、それだけでは足りないと思っています。
大きな夢なんてなくてもいい
「定年後に何をしたいですか?」
そう聞かれても、
「特にないなぁ……」
という人もいると思います。
それでもいいと思います。
大きな夢や目標を無理につくる必要はありません。
趣味を一つ見つける。
行きつけのカフェをつくる。
新しいことを勉強してみる。
昔やりたかったことを始めてみる。
新しい人と知り合う。
そんな小さなことでいい。
私自身も、今でも試行錯誤しています。
大切なのは、会社以外にも自分の世界を少しずつつくっておくことだと思います。
定年後は「仕事をする・しない」の二択じゃない
私は、定年後は完全に仕事を辞めなければならないとは思っていません。
もちろん、生活のためだけに無理をして働き続けるのは大変です。
でも、
週に2、3日だけ働く。
自分の経験を誰かに教える。
好きなことを小さな仕事にする。
副業を続ける。
地域の活動に参加する。
そんな生き方があってもいい。
50代から先の人生を、
「会社員としてフルタイムで働く」か「完全に仕事を辞める」か
という二択で考える必要はないと思います。
これからは、もっといろいろな働き方、生き方があっていい。
50代から「時間の準備」を始めよう
老後のお金は大切です。
年金。
貯金。
投資。
副収入。
もちろん、準備しておくに越したことはありません。
でも同時に、こんなことも考えてみてください。
会社以外に、自分の居場所はありますか?
仕事以外に、楽しめることはありますか?
会社の肩書きがなくなっても、付き合える人はいますか?
そして、
明日から会社へ行かなくても、やりたいことがありますか?
すぐに答えが出なくても大丈夫です。
だからこそ、50代の今から少しずつ探していけばいいのだと思います。
まとめ|老後に準備したいのは「お金」+「時間」
50代になると、どうしても老後のお金が気になります。
でも定年後に増えるのは、「お金の不安」だけではありません。
会社へ行かなくなれば、
自由な「時間」も一気に増えます。
その時間をどう使うのか。
誰と過ごすのか。
何を楽しむのか。
そして、何歳になっても「今日やることがある」と思える生活をどうつくるのか。
これも立派な老後準備ではないでしょうか。
50代から準備しておきたいのは、老後のお金だけではありません。
これから増えていく「自分の時間」を、どう生きるのか。
50代は「もう遅い」年代ではなく、その先の人生をつくり始める時期。
これからの時間を誰かに決めてもらうのではなく、自分で決めていく。
そのための小さな準備を、今から始めてみませんか。