「定年後は年金でのんびり」そんな老後を思い描いていた。

―「定年後は年金でのんびり」そんな老後を思い描いていた私が、今考えていること―

50代になると、「老後」という言葉が急に現実味を帯びてきます。

年金はいくらもらえるのか。
貯金はいくら必要なのか。
何歳まで働くのか。

私も50歳で会社を辞めた頃は、今とはまったく違う老後を考えていました。

「60歳くらいになったら年金をもらって、足りない分だけアルバイトでもすればいい」

そんなふうに考えていたのです。

決して贅沢をしたいわけではありません。

普通に生活できて、たまに好きなことができれば、それで十分。

ところが58歳になった今、当時考えていた老後について、少し怖くなることがあります。

それは、

「今の生活費を基準に老後を考えて、本当に大丈夫なのだろうか?」

ということです。

スーパーへ行くたびに感じる「高くなったな」

最近、買い物へ行くと感じませんか?

「あれ?これ、こんなに高かったっけ?」

食品だけではありません。

電気代、ガス代、日用品、外食、車にかかる費用……。

一つひとつの値上がりは数十円、数百円かもしれません。

でも、それが毎日の生活全部に広がっていけば、家計への影響は決して小さくありません。

会社員で毎月給料が入ってくる間なら、まだ対応できるかもしれない。

問題は定年後です。

年金中心の生活になったとき、生活費だけが上がっていったらどうなるのか。

58歳になった今、私はそこを以前より考えるようになりました。

ガソリン代を見ると、10年後を考えてしまう

私は車を使います。

だからガソリン価格はどうしても気になります。

価格が上がれば家計に直接響きます。

政府の支援などによって負担が抑えられることもありますが、それが10年後、20年後まで同じように続く保証はありません。

国際情勢によって原油価格が大きく動くこともあります。

では、私たちが70歳になった頃、ガソリンはいくらになっているのでしょうか。

正直、誰にも分かりません。

でも大切なのは、価格を予想することではないと思っています。

「今と同じ価格がずっと続く」と思って老後を計算してしまうこと。

私は、こちらの方が怖いと思うのです。

税金だって、この先どうなるか分からない

もう一つ気になるのが税金です。

消費税についても、これから先どうなるのかは分かりません。

下がる可能性もあれば、将来的に負担のあり方が変わる可能性もあるでしょう。

私は時々考えます。

もし将来、消費税の負担が今より大きくなったら?

もし15%、20%といった時代が来たら?

もちろん、これは決まっている話ではありません。

あくまで私自身が老後を考える中で想像する「もしも」の話です。

でも、私たち50代がこれから生きるのは、あと2年、3年ではありません。

人生100年時代と言われるなら、これから20年、30年、40年と生活していく可能性があります。

その間、税金も社会保障も物価も、今のままと考える方が難しいのではないでしょうか。

「老後○千万円あれば安心」だけでいいのだろうか

老後の話になると、

「老後資金はいくら必要なのか」

という話がよく出てきます。

もちろん貯金は大切です。

私自身、会社を辞めてから貯金がなくなった経験があるので、お金の大切さは身に染みています。

でも最近思うのです。

例えば、今は月25万円で生活できているとします。

もし将来、同じ生活をするのに30万円必要になったら?

年間では60万円の差です。

10年なら600万円。

これは単純な例ですが、老後を考えるときに大切なのは、

「いくら貯めれば安心か」だけではない。

そのお金で、

「将来、どれくらいの生活ができるのか」

まで考える必要があるのではないでしょうか。

50歳の私は「何とかなる」と思っていた

50歳で会社を辞めたとき、私はどこか楽観的でした。

28年間会社員として働いてきました。

「まあ、何とかなるだろう」

そう思っていました。

60歳になれば年金もある。

少しアルバイトでもすれば生活できるだろう。

でも、会社を辞めて現実の生活を経験して、その考えは変わりました。

収入がなくなる怖さ。

貯金が減っていく怖さ。

仕事を探しても、50代になるとなかなか思うようにいかない現実。

そして今は、物価高や親の介護、自分自身の老後についても考える年齢になりました。

だから今の私は、

「何とかなる」ではなく、「何とかできる準備をしておこう」

と思っています。

年金+「もう一つ」があったらどうだろう

だからといって、私は「老後のために何千万円も貯めましょう」と言いたいわけではありません。

それができればいいですが、50代になってから何千万円も貯めるのは簡単ではありません。

では、どうするか。

私は、

年金以外に小さな収入があること

も一つの選択肢だと思っています。

月3万円でもいい。

月5万円でもいい。

週に数日働く。

自分の経験を誰かの役に立てる。

小さな副業を始める。

趣味や得意なことを仕事につなげてみる。

大きく稼ぐ必要はありません。

でも「年金だけ」ではなく、

自分で少し収入を作れる選択肢がある。

それだけでも老後への安心感は変わるのではないでしょうか。

50代の今なら、まだ準備できる

私は58歳です。

若いとは言えません。

でも、まだ働けます。

新しいことも覚えられます。

人とも出会えます。

失敗することだってできます。

だから私は、50代は老後を怖がる年代ではなく、

「これからの人生の準備を始められる年代」

だと思っています。

会社員なら、今すぐ会社を辞める必要なんてありません。

むしろ会社から給料をもらえている今だからこそ、小さく準備を始める。

副業を調べてみる。

AIを使ってみる。

自分の経験や強みを書き出してみる。

会社以外の人とつながってみる。

そんな小さなことからでもいいと思います。

未来を当てることより、未来に備える

10年後、ガソリンはいくらになっているでしょうか。

物価は?

税金は?

年金は?

誰にも分かりません。

もしかしたら、私が心配しているほど悪くならないかもしれません。

逆に、今では想像できない変化が起きるかもしれません。

だから私は、未来を予想して不安になることより、

「何が起きても慌てない準備をしておく」

ことの方が大切だと思っています。

50歳の頃の私は、

「定年したら年金をもらって、アルバイトでもしながらのんびり暮らせばいい」

と思っていました。

58歳になった今は、少し違います。

国がどうなるのか。

会社がどうなるのか。

税金がどうなるのか。

もちろん気になります。

でも、それ以上に考えたいのは、

「そのとき、自分はどう生きるのか」

ということ。

未来は分かりません。

だからこそ、50代の今から選択肢を増やしておく。

貯金だけではなく、経験、人とのつながり、健康、そして小さくても自分で収入を作る力。

それが、これからの時代の「老後の備え」なのかもしれません。

58歳。

老後を考えると、正直怖くなることもあります。

でも、まだ準備する時間はある。

私はそう思っています。